2025年10月の最低賃金改定額【確定版】|月給者の確認方法と助成金活用法

10月からの最低賃金について、当初は「見込み額」をご案内していましたが、各労働局より【確定額】が発表されましたので、本記事も最新情報に更新しております。
全国的に大幅な引き上げとなり、東京都は時給1,226円に確定しています。
本記事では、確定額を反映した月給者の確認方法、適用ルール、助成金活用まで解説します。
目次
2025年最低賃金の改定(主要9県・確定額)
都道府県 | 現在の最低賃金 | 引上げ額 | 改定後最低賃金 | 効力発生日 |
---|---|---|---|---|
東京都 | 1,163円 | +63円 | 1,226円 | 2025年10月3日 |
神奈川県 | 1,162円 | +63円 | 1,225円 | 2025年10月4日 |
埼玉県 | 1,078円 | +63円 | 1,141円 | 2025年11月1日 |
千葉県 | 1,076円 | +64円 | 1,140円 | 2025年10月3日 |
愛知県 | 1,077円 | +63円 | 1,140円 | 2025年10月18日 |
大阪府 | 1,114円 | +63円 | 1,177円 | 2025年10月16日 |
福岡県 | 992円 | +65円 | 1,057円 | 2025年11月16日 |
北海道 | 1,010円 | +65円 | 1,075円 | 2025年10月4日 |
山口県 | 979円 | +64円 | 1,043円 | 2025年10月16日 |
他の都道府県の確定額については各労働局の公式発表をご確認ください。
令和6年度地域別最低賃金改定状況 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html
令和7年度地域別最低賃金額改定の目安 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について|厚生労働省
月給者の最低賃金確認方法
最低賃金は時給で定められているため、月給制の従業員も時給換算して比較する必要があります。
注意:家族手当など一部手当は最低賃金の比較対象外です
実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
① 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
② 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
③ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
④ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
⑤ 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
⑥ 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
最低賃金の確認例
例えば以下の条件を考えます。
- 月額給与260,000円 (内訳:基本給200,000円、精皆勤手当40,000円、家族手当20,000円)
- 月平均所定労働時間:170時間/月
精皆勤手当と家族手当は⑥に該当するため、最低賃金の確認においては除外して考えます。
計算式:
200,000円 ÷ 170時間 = 1,176円
東京都の改定後最低賃金(1,226円)と比較すると、最低賃金を下回るため改善が必要です。
※便利ツール:富山労働局「最低賃金比較ツール」
月平均所定労働時間の確認方法
最低賃金と月給を比較するには、「月平均所定労働時間」を使って時給換算を行う必要があります。
この「月平均所定労働時間」は、以下の手順で求めます。
■ 計算手順
- 年間労働日数 = 365日 − 年間休日数
- 年間総労働時間 = 年間労働日数 × 1日の所定労働時間
- 月平均所定労働時間 = 年間総労働時間 ÷ 12か月
■ パターン①:年間休日120日・1日8時間労働の場合
項目 | 計算式 | 結果 |
---|---|---|
年間労働日数 | 365日 − 120日 | 245日 |
年間総労働時間 | 245日 × 8時間 | 1,960時間 |
月平均所定労働時間 | 1,960 ÷ 12 | 約163.3時間 |
■ パターン②:年間休日120日・1日7時間労働の場合
項目 | 計算式 | 結果 |
---|---|---|
年間労働日数 | 365日 − 120日 | 245日 |
年間総労働時間 | 245日 × 7時間 | 1,715時間 |
月平均所定労働時間 | 1,715 ÷ 12 | 約142.9時間 |
適用される最低賃金のルール
- 原則:事業場所在地の最低賃金が適用されます。
- 派遣労働者:派遣先所在地の最低賃金が適用されます。
- テレワーク:原則、事業場所在地の最低賃金が適用(居住地ではありません)。
最低賃金改定と業務改善助成金
最低賃金引き上げに伴い賃金を見直す中小企業・小規模事業者は、業務改善助成金の対象となる可能性があります。
業務改善助成金のおもな要件
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内
- 生産性向上のための設備投資を行う
- 一定額以上の賃上げを実施
詳細はこちら:厚生労働省 業務改善助成金ページ
事業場内最低賃金とは?
業務改善助成金の対象となるかは、まず「事業場内最低賃金」を確認する必要があります。
「事業場内最低賃金」とは、同じ事業所内で働く労働者の中で、最も低い時間あたりの賃金を指します。
ただし、雇入れから6か月以上経過した労働者の中で最も低い賃金であることに注意してください。
■ 賃金形態ごとの時給換算(簡易)
賃金形態 | 時間あたり賃金の求め方 |
---|---|
時給制 | そのまま時給で確認 |
月給制 | 月給 ÷ 月平均所定労働時間 |
日給制 | 日給 ÷ 1日の所定労働時間 |
歩合給制 | ※対象となるか要確認 |
業務改善助成金の導入事例
助成対象となる経費は「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」です。
以下のような経費も、条件を満たせば助成対象になります。※特例事業者のうち、物価高騰等要件に該当する場合に限ります。
・乗用車(定員7人以上 または 車両価格200万円以下)
・貨物自動車
・パソコン・タブレット・スマートフォンなど端末機器(+周辺機器)
① 医療機関
導入内容:レフラクトメーター(検査機器)の増設
背景・課題:検査機器が不足しており、患者の待ち時間が長くなっていた
効果:検査の流れがスムーズになり、診察可能な患者数が約1.2~1.5倍に向上
活用内容:60円コース/賃金引上げ対象:7人
② 介護施設
導入内容:電動昇降式モーターベッドの導入
背景・課題:介助時の姿勢が不自然で、職員の身体的負担が大きかった
効果:移乗・介助がしやすくなり、職員の負担軽減・ケガ予防・作業時間の短縮を実現
活用内容:90円コース/賃金引上げ対象:7人
③ 飲食店
導入内容:調理機器(スチームコンベクション等)の導入+従業員への育成研修
背景・課題:手作業による非効率と人材育成の知見不足により、業務時間が長く属人的だった
効果:作業時間が最大80%短縮。新規スタッフでも一定品質の仕込み・調理が可能に
活用内容:90円コース/賃金引上げ対象:7人
④ 歯科クリニック
導入内容:自動洗浄機能付きの歯科ユニット(診療台)を導入
背景・課題:手作業での洗浄に時間がかかり、診療ごとの入替え作業が非効率だった
効果:次の患者の受け入れ時間が15分短縮、1日あたりの診療患者数が4人増加、自院の業務フローに合わせた設備選定と運用で、診療効率が大きく改善
⑤ 飲食店
導入内容:セルフオーダーシステムの導入
背景・課題:注文伝票のミスや業務量増加により、ホールスタッフの負担が大きかった
効果:注文や精算の効率が向上し、注文率・精算ミス率が改善、業務負担も軽減、従業員の負担軽減+顧客満足度向上に寄与
参考:厚労省『生産性向上のヒント集』を基に編集https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/index.html
当事務所のサポート内容
当事務所では、最低賃金改定に関する以下のサポートを行っています。
- 従業員の賃金チェック(最低賃金クリア確認)
- 助成金活用可否の無料診断
- 助成金申請書類の作成・提出代行
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