【速報】派遣労働者の同一労働同一賃金 ― 労使協定方式の賃金水準(令和8年度)局長通達

2025年8月25日、厚生労働省より「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(令和8年度適用)」および「労使協定方式における独自統計の協議」が公表されました。
本記事では、この速報を社会保険労務士の視点から分かりやすく整理し、令和8年度の概要をお伝えします。

令和8年度「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について

概要

令和8年度の一般賃金水準(一般基本給・賞与等)は、産業計・職業計でいずれも上昇。多くの職種で水準が引き上げられています。

指数等令和7年度通達の数値令和8年度通達の数値
賞与指数0.020.02(変更なし)
一般通勤手当73円79円(+6円)
退職金割合5%5%(変更なし)

詳細はこちらをご確認ください⇒派遣労働者の同一労働同一賃金について|厚生労働省

「労使協定方式における独自統計の協議」について

概要

労使協定方式を採用している企業が、独自に統計を作成し、それを労使協定の基礎とすることについての協議に関する発表です。
原則として厚生労働省が示す「賃金構造基本統計調査」「職業安定業務統計」を用いることになりますが、
これらの統計で実際の派遣労働者の業務との間に乖離がある場合などは、独自統計の利用も認められています。

使用可能な独自統計

基幹統計調査・一般統計調査(統計法に基づくもの)
地方公共団体や独立行政法人等による統計
③上記以外の統計(経済団体・業界団体等が実施するもの)

→ ①②は 事前協議・報告不要、③は 事前協議・報告が必要

独自統計等を用いる場合の留意点

  • 独自統計を使う場合は、労使協定に統計を添付し、独自統計等を用いる理由を労使協定に明記する必要あり
  • 調査対象地域に派遣労働者の就業場所が含まれていること
  • 独自統計等の有効期間は
    基本給・賞与等 → 原則1年
    通勤手当・退職金 → 原則5年

労使協定方式における過半数代表者の選定

選定時のチェックポイント

【労使協定方式】において、過半数代表者の選定も重要なポイントとなります。おもなチェックポイントをまとめましたのでご確認ください。

過半数代表者の適切な選定チェックポイント

  • 派遣労働者を含むすべての労働者から選出されている
  • 労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でない
  • 労使協定を締結する者を選出することを明らかにして実施される民主的な方法(投票、挙手など)により選出
  • 労働者の過半数の信任を得ている
  • 派遣元事業主の意向に基づき選出された者でない

参考:労使協定方式に関するQ&A(集約版)問1-12001046173.pdf (mhlw.go.jp)

まとめ

令和2年の制度スタートから数年が経ち、労使協定の運用は徐々に定着してきました。
ただ、「一般労働者の賃金水準」は毎年引き上げが続いており、加えて最低賃金の上昇や社会保険料率のアップなど外的要因も重なり、
「どう対応していけばよいのか」と不安に感じられている企業も少なくありません。

ただ、必要なのは冷静に制度を整理し、基本的なルールを守りながら一つずつ対応していくことだと思います。

労使協定コンサルとして複数の企業の労使協定を確認して参りましたが、依然として制度を誤解されているケースや、逆に企業ならではの工夫をされているケースもあります。
「うちの対応はこれで良いのかな?」と不安に思われたら、お気軽にご相談ください。

派遣労働者同一労働同一賃金【労使協定方式】のご相談対応を行っております。【お問合せ】より、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

兒玉有美子
兒玉有美子こだま社労士オフィス代表 社会保険労務士
労務相談・社会保険手続・給与計算などトータルで対応いたします。
専門分野は①医科歯科クリニック顧問②派遣業支援③女性活躍推進・育休取得環境整備などの人的資本経営サポートです。
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